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白石 健介; 深井 勝麿
Journal of Nuclear Materials, 117, p.134 - 142, 1983/00
被引用回数:12 パーセンタイル:77.07(Materials Science, Multidisciplinary)標準の316ステンレス鋼を室温で24MeVのヘリウムイオンを3.210ions/mまで照射した。この試料の上表面の微小硬さを照射面からの距離の関数として測定すると、硬さの最大値が照射面から105mの位置に現われる。また、この試料の断面の電子顕微鏡組織の観察では、照射面から105~114mの範囲で小さな転位ループが認められる。この試料を1023Kで1時間熱処理すると、化学エッチによって、照射面から107mの位置を中心にして8mの間隔をもった2本の線が光学顕微鏡写真上で観察される。この2本の線は、断面の電子顕微鏡写真で観察される、かなり密にしかも直線状に並んだフランクループの列と対応していることが確められた。本実験で観察した照射欠陥の深さ分布は、Littmark and Zieglerが非晶質の鉄について理論的に計算したヘリウムの分布とよい一致を示す。
浜田 省三; 田中 三雄; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 114, p.338 - 340, 1983/00
被引用回数:8 パーセンタイル:91.1(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉材料の照射損傷の研究において、イオン照射実験は非常に有効であるが、イオン照射によって材料中に生成する損傷が試料表面からの距離によって非常に異なったものになることに注意を要する。ステンレス鋼について、イオン照射後熱処理することなく、イオン照射によって生じた損傷組織の深さによる変化の様子を透過電子顕微鏡によって直接観察する実験技術を開発したので、実験技術の詳細について報告する。この実験技術を応用して、ステンレス鋼に1MeVのヘリウムイオンを照射した試料で損傷組織を試料表面からの深さの関数として観察した。この観察では、損傷組織は原子のはじき出しによるものと注入したヘリウムによるものとが分離でき、それぞれの分布はZieglenのイオン阻子能を用いた計算の結果とよい一致をすることが認められた。